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税理士が語る2万円給付金のリアル〜お客様からの質問で見えてきたこと〜

ryuichiiwamoto0907@gmail.com

こんにちは!税理士の岩本隆一です。

最近話題になっている「2万円給付金」について、日頃お客様と接している立場から、ちょっと違った角度でお話ししてみたいと思います。

まず気になる税務上の取り扱いから

石破首相が6月13日に発表した給付金案では、全国民に一律2万円、住民税非課税世帯の大人には+2万円(計4万円)、18歳以下の子ども1人につき+2万円という内容が検討されています。

で、お客様から必ずと言っていいほど聞かれるのが「これって税金かかるんですか?」という質問なんです。

今回の2万円給付金については、これまでの給付金と同様に、税金の対象にはならない見込みです。つまり非課税ということですね。

実際、過去の住民税非課税世帯向けの給付金などは「物価高騰対策給付金に係る差押禁止等に関する法律」(令和5年法律第81号)により、所得税等の課税及び差押えの対象とはならないとされていました。今回の給付金も同様の扱いになると予想されます。

2020年の10万円給付の時はこんな質問が多かった

僕の事務所でも、2020年の10万円給付の時は本当にたくさんの質問をいただきました。

一番多かったのがやはり「税金の対象になるかどうか」でした。皆さん、給付金をもらったら確定申告で何か手続きが必要なのか、心配されるんですよね。

結論から言うと、個人の方が受け取る給付金は基本的に非課税なので、確定申告書に記載する必要もありません。

今回の2万円給付金は個人向けの給付なので、事業主の方であっても個人として受け取るものです。事業所得にはなりませんし、もちろん課税対象でもありません。

実際のところ、2万円ってどう使う?

正直なところ、2万円という金額は、そこまで大きなインパクトはないですよね。みなさんもそう思われているんじゃないでしょうか。

お客様にアドバイスするとしたら「貯金するか、ちょっといいもの食べに行ってください」という感じですかね。

もうちょっと金額が大きければ、事業で将来のために使おうみたいな話になるかもしれないんですが、2万円だとそこまでのレベルではないんです。

でも、だからといって意味がないわけではありません。

「バラマキ批判」について思うこと

「選挙前のバラマキ」という批判もよく聞きますが、財政を見る立場からすると、今回は「税収の上振れ分を活用し、赤字国債に依存しない」という方針なので、それなりに責任ある政策だと思います。

借金を増やして給付するのと、税収が予想より多かったから還元するのとでは、意味が全然違いますからね。

とはいえ、根本的な問題解決にはなっていないというのも事実です。

お客様にいつもお話ししていること

僕がお客様によくお話しするのは「給付金に頼らない家計や事業の基盤作りが大切」ということです。

個人のお客様には:

  • 家計簿をつけて支出を見直す
  • 少額でもいいので投資を始める
  • 副業や資格取得で収入源を増やす

事業者のお客様には:

  • キャッシュフローの改善 -新しい収益源の開拓
  • 税制優遇を活用した設備投資

こういった地道な取り組みの方が、長期的には大きな効果があります。

でも、もらえるものはありがたくもらいましょう

とはいえ、給付金をもらえるなら素直にもらえばいいと思います。

税理士として見ていて思うのは、お金に対して変に罪悪感を持つ必要はないということです。制度として用意されているものなら、堂々と活用すればいいんです。

ただし、使い方は考えたいですね。

僕がお客様におすすめしているのは:

  • 半分は貯金や投資に回す
  • 残り半分は地元のお店で使って経済を回す
  • 普段買わない少し良い食材で家族との時間を楽しむ

こんな感じの使い方です。

最後に思うこと

正直なところ、政治的な話は僕の専門分野ではありません。でも、税務の専門家として見ていると、給付金というのは「緊急時の痛み止め」みたいなものだと思うんです。

大切なのは、痛み止めを使っている間に、根本的な体質改善をすることです。

個人レベルでは家計管理や資産形成、事業レベルでは収益性の改善や効率化。こういったことを地道に続けていくことが、本当の意味での「物価高に負けない体質」を作ることになります。

手続きについて気をつけること

最後に実務的なお話を。

今回の給付金では、マイナンバーに紐づく「公金受取口座」への振込が検討されています。

すでに登録済みの方は自動で振込、未登録の方は別途申請が必要になる可能性があります。

過去の給付金で手続きが遅れて受け取れなかった方もいらっしゃったので、今のうちに公金受取口座の登録状況を確認しておくことをおすすめします。

というわけで

一人の国民として、今回の2万円給付金について思うところを書いてみました。

お金をもらえるのは素直に嬉しいけれど、それだけに頼らず、しっかりとした家計管理や事業運営を心がけていく。そして、もらった給付金は上手に活用して、経済全体にも貢献していく。

そんなスタンスが大切なのかなと思います。

給付金の詳細が決まったら、また税務面での注意点などお伝えしていきますね。何かご質問があれば、いつでもお気軽にご相談ください!

ABOUT ME
税理士 岩本隆一
税理士 岩本隆一
登録番号140245 東京地方税理士会 横浜中央支部
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